ジキルとハイド Jekyll & Hyde The English Theater Frankfurt

ジキルとハイド The English Theater Frankfurt

 再び、フランクフルトのThe English Theater。
「ジキルとハイド」のミュージカルを見ました。素晴らしかった。舞台の切り替えや、音楽、歌もよかったのですが、なんといっても主演の俳優さんの熱演。ジキルから瞬時にハイドに切り替わる瞬間、表情や振る舞いで一気に別人になる様が圧巻でした。外見が同じはずなのに、これだけ筋肉や体の使い方で違う人に見えてくるとは。俳優ってすごい。

 人間の暗黒面も書くので舞台演出も退廃的でしたが、それだけに魅惑的でもあり、女性陣の歌も魅せました。かなり現代性のあるテーマなのかと思います。その変容は、精神的な問題とも置き換えられるし、場合によっては薬物問題もとらえることもできるかもしれません。欲望とか。だんだん深みにはまっていく感じなど、多かれ少なかれ、見ながらドキッとする人はたくさんいるのではないかと思われます。

 俳優の早変わりの演技を間近に見る醍醐味があり、間近で聞く歌や演奏もよく、特殊効果のない舞台でストレートに見る価値大という作品でした。

DER GRÜFFERLO Alex Scheffler Julia Donaldson Macmillan Children’s Books

 

作者はスコットランドの方のようなのですが、こちらドイツでも大人気の作品。とても、とても人気があります。同作者の本も含め、何度も何度も子供達は読んでいるのですが、本日は、こちらを基にした人形劇を見に行きました。

Theaterzelt an der Bockenheimer Warte

人形劇の公演は、何とテントの中。チケットを買って中に入ると、土の地面に長いすが置いてあって前面上方に人形劇の舞台があります。ポップコーンが売っていたり、それはなんと言うか、サーカスの趣。大人も子供も8ユーロというのは、かなり高いと思ったのですが、子供がこういうものをとても好きなので見に行ったところ、観劇スタイルがとても印象的でした。

日本でも、子供向きのお芝居はそうなのかもしれませんが、兎に角子供が自由に反応ができるし、舞台とかに話しかけたら、人形遣いの方も、それに上手く答えてくれるし、子供達はどんどん盛り上がります。大声で登場人物に「ちがうよー、グルッフェローは本当にいるってばー」って声はりあげて登場人物にはりあげたり、大喜び。とてもよい雰囲気だなと、関心してしまいました。自分の子供時代に、こんな風にのびのび盛り上がって劇を見たことはなかったな、とちょっと思ってしまいました。なんといっても一緒に見に行った自分の子供の振る舞いにもびっくり。(とても真剣に叫んだり応答したりしている!)見に行ってよかったなと思いました。

それにしても、ドイツの子供の間でよく聞く言葉、「Angsthase!」が、劇場の掛け声でも響きわたりました。そのままの字面を読むと、心配性のウサギ、転じて「臆病者!」という感じなのでしょうか。こちらで生活していると、子供達の間でよくこの言葉を聞くのですが、ドイツの子育てで、なんとも印象てきなこと。公園でもなんでも、兎に角ちょっと難しめのことでもどんどん挑戦させること。心配してやめさせたりすると、親のほうが「Angsthase!」って言われてしまうことまで。そんな子育ての環境も、色々過剰に心配しないで子供の勇気を養う意味で悪くないよな、と思ったことでした。

PYGMALION director Tom Wright / The English theatre Frankfurt

http://www.english-theatre.de/pygmalion-2/

「ピグマリオン」良かったです。ドイツはフランクフルトに英語で劇を上映する劇場があるのはずっと知っていたのですが、この度初めて行きました。劇場も思っていたよりずっと綺麗で、舞台もよく驚きました。(なぜならフランクフルトで上映される現代オペラ等に散々ぎょっとさせられてきていたので。)

主演の女優さんは、姿形はこちらの話できたいするような見掛けの方ではなかったのですが、まあよく、ヒギンズ教授は、その偏屈ぶりなど非常によく演じられていたと思います。

私はちょっと英語に問題があるので、全て完全に理解できたわけではないのですが、(もともと話は知っていたので)、前半はテンポよく物凄く笑い、後半の皮肉な展開に社会問題や、人間を考える、見たいな感じでした。

なんというか、本当に英語のしゃべり方で階級が分かる、見たいなことを良くききますが、生まれる場所を人間は選べないから本当に不公平だと思います。が逆にそのしゃべり方や振る舞いを学んだイライザが、ヒギンズ教授から飛びたってしまう瞬間もまた皮肉なもの。でも状況が違っても、手塩にかけて育てた部下が、上司を乗り越えていくみたいなビジネス劇の設定でもなんか再構成できるかも、なんて思いながら見ていたものでした。

結構好評らしく新聞の批評欄にもでているので、記録としてリンクを添付します。

Frankfurter Rundschau http://www.fr.de/kultur/theater/pygmalion-not-bloody-likely-a-1344409

Frankfurter Neue Presse http://www.fnp.de/nachrichten/kultur/Schnoddrig-laut-und-temperamentvoll;art679,2756982