ネコのホレイショ エリナー・クライマー こぐま社

色々な場所から借りてきた絵本が、家の中に今何冊かあるのですが、その中から特にこれを読んで欲しいと子供が持ってきた本です。やはり小さい子供には、動物が主人公の作品は魅力的みたいですね。

しかしながら、飼い猫もしくは飼われている動物が怒って家を飛び出して、世間の厳しさを知った後、もどってきて飼い主と前よりもより強く結ばれるというパターンの作品が西洋に多いこと。子供の本でもこの本以外に猫、豚と同じパターンの作品を既に、ここ暫くで少なくとも2冊は読んでいます。

これは西洋の物語のパターンなのでしょうか。日本の昔話も、一寸法師や桃太郎など、旅にでて一回り大きくなって戻ってくるというパターンのお話が幾つもあったりするので、西洋世界を構築する一つのフォーマットなのかもしれません。よく考えたら、新約聖書の放蕩息子のたとえ話も同じようなフォーマットといえるかもしれません。

子供の頃にこういった物語の原型を取り入れていっているうちに、それが人間形成につながっていくと思うと、子供の頃に触れるものというのは、本当に重要だと空恐ろしくなってきます。また、私が子供時代の頃とちがって、こうやって色々な国の物語に触れている子供たちが将来、人生でどのような物語をつむいでいくのか、全く新しい時代となっているのだなという気がします。

あらゆる文明が混沌と混ざり合ったり、ぶつかり合ったりしている現在、子供の絵本の世界でも融和の原型ともなるような物語が沢山生まれてくるといいなと思います。