外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術 山口周 KADOKAWA/中経出版

思えば数年前に本田直之氏の「レバレッジ・リーディング」を読んでから、読書術の本を幾つか読むようになりました。現在の仕事の現状が変わらない中、インプットはいつもしているけれど、一体何の為にしているのか、わからなくなるほど、現状が変わらない。というジレンマで、インプットしたものの、アウトプット、もしくは仕事への活用方法をひたすら考えるようになったのです。

実は、昔はいわゆる文学や教養系の本ばかり読んで、ビジネス本にはあえて距離感をとっていたのですが、今思えばなんと頑なな、視野の狭い姿勢だったのだろうと思います。若い頃に、もっと真剣にビジネス本を読んでいれば、より戦略的に生きられたのではないかとも思います。

同時に、文学や芸術が好きなのですが、そういったものと、ビジネスの世界と共存できないのが、その二つの世界がいつもパラレルで、結びつけられないのが、はがゆいという心境です。

こちらの本も、そんな、インプットを何とか仕事に生かしていける方法がないかという葛藤から読み始めました。基本的にはリベラル・アーツの本も薦められてはおりますが、ビジネスの世界において知的武装をするための読書術ととらえられる本です。まあ、20代で読めればよかったかな。今読んでも人生や仕事に影響を与えるには手遅れ的な件もチラホラみうけられました。

まあ、大量の新刊を読むよりは、古典の良書を読む。但しただの読み方ではなく、隅々まで精読する。というのは、ここ何年も語学の勉強が必須な中、数々の語学勉強本を買っても、結局一冊を深く勉強したほうがよい。(要するに一冊もきちんと理解しきれていない。)という結論に至っていたので、共感できました。

ついつリベラル・アーツ系の読書観に偏り勝ちな私自身の考えと、作者の意見が違う箇所もあるのですが、ビジネスのための読書術という点では作者はプロなので、色々素直に実行できるところは早速取り入れていきたいと思います。確かに本当に知的生産をする場合は、効率化も必要で、どれだけ生産性をあげるかという所が重要だと思うので、知的生産のために読む場合は、読み方が全て変わってくる、ということ自体がこの本から得た学びかもしれません。逆に言うと、ちょっと実行してやめては意味がない、長年の蓄積がいつかその人らしい知的生産の礎となるのだろうなと感じました。

作者の紹介する「ビジネス書マンダラ」は、早速参考にさせていただきたいと思います。若い頃からまじめに考えている方だったら、結構この中の本も読んでいらっしゃるだろうなというチョイスなのですが、私自身は、ビジネス書経験値が低いので、これから精読したいと思います。色々と勉強させていただきました。ありがとうございます。