あのこは貴族 山内マリコ 集英社

 読了後はそれなりに面白くはあるかなと思いましたが、一回読んだら2回目は読まないかなという意味で、読みやすい娯楽作品と位置づけました。この本の、一番の意義は、誰もが心の中に思っている、東京って階層社会だよね、という暗黙の言葉にするのはタブーな話をタイトルにしたという事かな。タブーでもないか。
 東京のお嬢という世界は確かにあるだろうけれど、もうその仕分け自体が時代遅れじゃないのかなと思う。まあ、人間的には魅力的なのは、最初は世間分かっている地方出身雑草系女子。でも最後にはお嬢様も成長するところがさわやか、という感じの〆かげん。まあ、年取ってから読むと、どうでもいいテーマ。(というと元も子もないか。)