娘に読んで、「一気に」に好きになった本です。おばあちゃんが、今まで秘めていいたクリエィテビティを炸裂させて、成功していく過程が、幸せへの過程とぴったりと重なっていいるところが、心から幸せな気分になる一冊。私自身が絵を描くのが好きだからかもしれませんが、特別な一冊になりました。絵そのものも素敵。自分の心に寄り添って、自分らしく生きていくことの偉大さを感じられる絵本。子供の人生もこのように花開いてほしい。
月: 2018年3月
「マノンの肉体」辻原登 講談社
読み始めてから、「久しぶりに文学作品を読んだ」とはっとしました。最近実用本や、インターネットサイトばかり見ていて、純然なる文学作品を読んでいなかったので、その文章の格調と、面白さに少しびっくりしてしまいました。最近の若い作家の方とも違う風格のある面白さ。今文学作品と呼ばれているものと何が違うのだろうかと考えながら作品を読みました。
きっと映画やドラマの影響、またエンターテイメントと純文学との境い目がうやむやになる中、今の作品はプロットを重視する作品が多く、文章が全く違うのではないかというのが、今のところの個人的な感想です。
収録されている作品では、個人的には「マノンの肉体」が心に残りました。ふとしたことから始まる話がいつのまにか、文章の意外な連なりによって、転がり、最後にあっという幕切れになる構成が、素晴らしかった。題材に使われている作品も鑑賞したくなる、手練れの作品。