新装版 銀行総務特命 池井戸潤 講談社

池井戸作品、三作品を続けて読んでいる。その第2弾。先の「新装版 不祥事」と比較すると、内容が重い、暗い、救いがない。最初は軽い話から始まって、段々出口のないリアルな嫌な話が詰まっているという感じ。自分が銀行に勤めていたからかも知れないが、最初は面白く、いや、最後まで面白く読みはしたが、読んでいて居た堪れなくなるような気分で、読後感が悪かった。お話として読めれば面白いのだろうけれど、以外にリアル。なので、いつも池井戸作品を読んでいて、これ作品にしていいのかな。これで売れていいのかな。と少し思ってしまう気持ちが、この作品では更に強くなった。作品を書くのは簡単なことではないのは勿論理解しているつもりだけれども、話の殆どの骨格が、ほぼ現実に転がっているリアルだとすると、それをネタにしていいのかな、と少し思ってしまう、、、。きっと銀行員だったら誰もが経験しているような話とか、聞いたような話とかばかりなのだと思う。リアルがこうならば、わざわざ話を読んで暗くなる必要はないかも。