チム、ジンジャーをたすける エドワード・アーディゾーニ 福音館書店

ここのところ(親が)気に入って、何冊かシリーズで読んでいる本。親が気に入って読んでいますが、子供たちも、すぐチムの名前を覚えて、同じシリーズの他の本を読んだときは、3歳児も、「これ、チムね」と自分の友人の様に話の中に入っていきました。海の厳しい自然の中で、子供用の絵本にしては少しリアルな現実がかかれていて、少年の心の持ちようが、人間らしい強さにフォーカスされているのがなんともいえない。勉強とか、これを習えば子供の将来に役に立つといった情報も氾濫しているが、人として一本筋が通っていて、大人とも1対1の人間同士で付き合っていくチムの姿が新鮮。

ぞうのババール こどものころのおはなし ジャン・ド・ブリュノフ 評論社

 最近、絵本を読みながら、つい余計なことを色々考えてしまいます。「ぞうのババール こどものころのおはなし」を開いたときは、絵を見た瞬間に、「ああ懐かしい」と思い、思わず手をとり、読み聞かせようと思ったのですが、読みながら内容をあまり覚えていなかったことに気がつきました。そして、読みながら数々の突っ込みを心の中でいれ、半ば動揺しながら、それを隠しながら読み聞かせを続行。
 まず、始まったわずかのページでおかあさんが「やられた」(かりゅうどにうたれた!)時点で、「え、こんな衝撃的なはじまりだったか」と驚き、仲良しだけど「ほしいものは なんでも かってもらえる」大がねもちのおばあさんは、一体何のメタファーなんだと、勝手に斜に構えた反応をしてしまい、「きれいなふくを かってやった」いとこと結婚するって、何、と、これまた複雑な気分になり、さらにまた王様が、よりにもよってババールのもどる直前でどくきのこをたべて死んでしまうなんて、「何、何、何」の連続でした。
 結婚式にはてっきり私は大がねもちのおばあさんが招待されるのかと思ったのですが、それはなく、人間の格好をした、人間の洋服で着飾ったババールが、あたらしいぞうの王様になるのでした。大きな街にいって洋服の着方を学び、マナーを学び、教養を身につけて、自国にかえったら即王様になるのか。と思うと、なんだかなんとなく自国のよさがなんだか軽く見られるような違和感も感じてしまったりしたのでした。
 絵本って割りとロングセラーのものも多いので、読んでいると、たまにとても古い道徳観や、家族観を反映しているものが散見されて、ついうっかり手にとってびっくり、と思ってしまうこともあるのですが、ババールの絵とかはとっても懐かくおもって手にとったので、こんな話だったのかと愕然とました。なんか絵本にこうやってこっそり、なんと言うか政治的な要素を(これはたぶん、植民地の話なのでしょう。)盛り込むのはやめて欲しいと思ってしまったのでした。なんか大人になるって、複雑です。

エルマーのぼうけん ルース・スタイル・ガネット(さく) ルース・クリスマン・ガネット(え) 福員館 

子供のときに読んでいた本。絵をみると、ぱぁっと子供の時の記憶が呼び覚まされる。こうやって何代も語り継がれるこどもの本って、お話がおもしろいことはもちろん、絵に詩情がある。

いまのよのなか、時間が早すぎたり、動画で沢山色々見られたりで、ぼーっとしたり、ぼーっと想像したり、余韻を楽しんだりする時間がない。子供にもっと、ゆっくりした時間をつくらなければ、と思う。それには、おとなもゆっくりしなければ。

エルマーのぼうけんは、少し早いかなと思って読み聞かせたが、子供たちは、話に引き込まれてきちんと聞いていた。今まであまりなかったことだけれども、わからない言葉があると、聞いてくる。

子供に面白いはなしは、おとなも読んでいて楽しいな。勇敢で知恵のあるエルマーが、子供の力を信じる気持ちにさせてくれる。

かえでがおか農場のなかまたち アリスとマーティン・プロベンセン 童話館出版

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本を開いたときに、「わぁ!」と思わず声をあげてしまいました。ヨーロッパには、よく農場の絵本はありますが、農場にいつもいて動物が大好きな方が書いたのかなと楽しく読み進められました。何より、ユーモアが感じられるのと、絵の色使いや、エピソードがとってもかわいい。たまに鶏がきつねにつれていかれたり、ヤギに柵をふっとばされたり、猫が喧嘩してたり、怠け者の馬がいたり、リアルなのが面白いです。

くまのローラ トルード・デ・ヨング 福音館書店

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「くまのローラ」大人の現実が反映されていて、わがままで、本当のことばかり話すくまのローラが面白くって、子供たちに大人気の本になりました。お父さんがシングルファーザーだったり、スーパーからかってにマシュマロを取って帰ってしまったり(お父さんと後で一緒にお金を払いにもどります)、読みながらドキッとすることもありますが、くまのローラが恋をしたり、ポップな感じでこころに残る一冊でした。